「基本情報技術者試験 転職」と検索してこのページに来た方は、今まさにIT業界への転職を考えていて、勉強するなら基本情報技術者試験に挑戦した方がいいのか、それとも他のことに時間を使った方がいいのか、悩んでいるのではないかと思います。名前は聞いたことがあっても、実際に転職の場でどれくらい効果があるのか、リアルな話はなかなか見つからないですよね。
資格と実務スキル、どちらを優先する?で書いた通り、私は転職活動中は実務に近いスキルの習得を優先し、基本情報技術者試験の勉強はいったん保留にしました。ただ、IT業界で働き始めてから改めてこの資格に挑戦する機会があり、今なら「転職の場でこの資格がどう働くか」を、当時より具体的に振り返ることができます。
この記事では、実際に基本情報技術者試験を受験してわかった難易度のリアルな感触と、転職活動・入社後の両方で資格がどう評価されたのかを、実体験をもとにお伝えします。
この記事でわかること
- 基本情報技術者試験は未経験IT転職で本当に有利になるのか
- 実際に受験してわかった試験の難易度と学習期間の実感
- 資格を取得すべき人・無理に取らなくてもいい人の判断基準
結論:基本情報技術者試験は「あれば有利、なくても不利にはならない」資格
結論から言うと、基本情報技術者試験は持っていれば書類選考や面接でプラスに働く場面がある一方、持っていないからといって選考で不利になるとは限らない資格だと感じています。
理由は、未経験者向けの求人の多くで、この資格が「必須」ではなく「歓迎」条件として扱われているからです。実際に私自身、転職活動中は資格を持たないまま選考に進み、資格の有無より学習の記録や成果物について聞かれる場面の方が多かったことは以前の記事で紹介した通りです。あればプラスになる場面はあっても、なければ即マイナスになるような扱いは、少なくとも私が見てきた求人票の範囲では感じませんでした。
だからこそ、「資格がないと転職活動を始められない」と焦る必要はなく、資格はあくまで転職活動をより有利に進めるための選択肢の一つと捉えるのがちょうどいいと考えています。
未経験の転職活動で基本情報技術者試験はどう見られた?
転職活動中、転職エージェントとの面談で「基本情報技術者試験は取得しておいた方がいいですか」と聞いたことがあります。担当のエージェントからは「持っていれば書類選考で目に留まりやすくなるケースはあるが、未経験可の求人では必須にしているところは少なく、今から時間をかけて取得を目指すより、先に応募を進めた方がいい」とアドバイスされました。このアドバイスも、以前の記事で紹介した「実務スキルを優先する」という判断につながった理由の一つです。
入社してから、採用面接に同席する機会がある先輩社員に、基本情報技術者試験を持っている応募者をどう見ているか聞いたことがあります。その先輩の話では「資格を持っているからといって即採用が決まるわけではないが、独学でどれくらい計画的に勉強を続けられる人かを判断する材料の一つにはなる」とのことでした。資格そのものの知識量より、取得に至るまでの学習姿勢を見られているという点は、以前の記事で感じた実務スキル重視の傾向とも共通していると感じています。
実際に受験してわかった、基本情報技術者試験のリアルな難易度
転職して1年ほど経った頃、基礎知識を体系的に整理し直したいと思い、改めて基本情報技術者試験の勉強を始め、受験しました。転職活動中に書店で参考書の目次を眺めた程度だった当時と比べると、実際に手を動かして問題を解いてみて初めてわかることがいくつもありました。
試験は、基礎知識を問う多肢選択式の科目Aと、アルゴリズムとプログラミングの考え方を問う科目Bの2つで構成されていて、パソコンで受験するCBT方式のため、都合のいい日程を選んで受けられました。科目Aは、ネットワークやデータベースなど、入社後に実務で日常的に触れている分野は覚えやすく感じましたが、会計・法務系の分野は実務で触れる機会がほとんどなく、暗記に苦戦しました。科目Bのアルゴリズム問題は、擬似言語という独特の書き方に慣れるまで時間がかかり、過去問を繰り返し解くまでは何を問われているのかすら掴みにくい状態でした。
学習期間は、平日の隙間時間と休日の数時間を使って、私の場合は2〜3ヶ月ほどかかりました。仕事を続けながら学習時間の確保に苦労したのは別の記事で紹介した通りですが、転職活動中に感じていた「この期間を使い切ると転職活動が遅れる」という焦りがなかった分、今回は落ち着いて取り組めたという違いがありました。
結果としては合格できましたが、実務ですでに触れている分野があってもなお、2〜3ヶ月ほどの学習期間が必要だったことを踏まえると、転職活動と並行してゼロから合格を目指すのは、当時の自分にとってはやはり時間的に厳しかっただろうと感じています。
基本情報技術者試験が転職で評価されやすい3つの場面
ここまでの経験を踏まえると、基本情報技術者試験が転職の場で評価されやすいのは、主に次の3つの場面だと感じています。
- 書類選考で経歴の薄さを補う材料になる場面:求人票に「基本情報技術者試験 歓迎」と書かれた求人を以前の記事で紹介しましたが、資格を持っていれば、実務経験がない分の材料として書類上でより強く打ち出せた可能性はあると感じています。ポートフォリオなど実務スキル側の材料については、未経験IT転職にポートフォリオは必要?でも詳しく紹介しています。
- 学習を最後までやり切った証明になる場面:先輩社員から聞いた話の通り、資格の合否そのものより「独学で計画的に勉強を続けられる人かどうか」を判断する材料として見られている面があります。
- 入社後、実務の会話についていける土台になる場面:入社後、インフラ担当のメンバーとの打ち合わせでサブネットマスクの話が出た際、基本情報技術者試験の勉強で学んだネットワークの計算方法がそのまま役に立った場面がありました。用語を知っているだけでなく実際に計算できる状態になっていたことで、会話に置いていかれずに済んだと感じています。
基本情報技術者試験を受けた方がいい人・無理に受けなくていい人
実際に受験してみた実感として、次のように整理すると判断しやすいと感じています。
| タイプ | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 転職活動をできるだけ早く始めたい人 | 無理に受けなくていい | 学習期間として2〜3ヶ月ほどかかる分、実務スキルの準備が後回しになりやすいから |
| 応募したい求人に「歓迎」条件として書かれている人 | 時間に余裕があれば検討 | 必須条件ではないため、まずは実務スキルの準備を優先し、余裕があれば取り組む選択肢でよいから |
| 独学の継続に不安があり、明確な目標がほしい人 | 目標として活用するのはあり | 合格ラインが明確なので、学習の区切りをつけやすいから |
| 入社後に基礎知識を体系的に整理したい人 | 転職活動と切り離して検討 | 実務に触れてから学んだ方が理解が早く、転職活動の期限に追われずに取り組めるから |
表の通り、基本情報技術者試験は転職活動そのものを有利にする資格というより、転職活動の前後どちらのタイミングで取り組んでも意味がある資格だと捉えています。焦って転職活動中に詰め込むよりも、自分の状況に合ったタイミングを選ぶ方が、結果的に納得のいく取り組み方になると感じています。
まとめ
ここまで、基本情報技術者試験が未経験IT転職に有利かどうかについて、実際に受験した経験をもとにお伝えしてきました。
- 基本情報技術者試験は、持っていれば書類選考や面接でプラスに働く場面がある一方、持っていないからといって不利になるとは限らない
- 実際に受験してみると、実務で触れている分野は理解しやすい一方、アルゴリズムや馴染みのない分野では相応の学習期間が必要だった
- 評価されやすいのは「書類選考の補強材料」「学習を続けられる証明」「実務の会話についていける土台」の3つの場面
- 転職活動を急ぐ人は無理に受けなくてもよく、時間に余裕がある人や入社後に基礎を整理したい人は検討する価値がある
資格を取得すれば必ず転職が有利になるとは言い切れませんが、少なくとも「取らないと不利になる」と思い詰める必要はないというのが、実際に受験してみての実感です。資格と実務スキルどちらを優先すべきかの判断基準や、学習時間の作り方については、以前の記事や別の記事でそれぞれ詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

