「IT業界って、SlackとかGitとか独特なツールを使うらしいけど、具体的に何がそんなに特殊なんだろう」——「IT業界 独特 文化」と検索している方の中には、これから未経験でIT業界に飛び込む予定があり、実務で使うツールや職場の空気感に漠然とした不安を感じている方も多いのではないかと思います。私自身、前職ではパソコンを使う機会が少なく、社内の連絡はメールと電話が中心だったため、入社してすぐの数週間は、見慣れないツールと独特な言葉遣いに戸惑いの連続でした。
この記事では、文系・未経験でIT業界に転職した私が、入社直後に実際に戸惑ったツールや仕事の進め方の”独特さ”を、具体的な場面とあわせて紹介します。入社してからどんな仕事を任されるようになったかという業務内容の変化についてはIT業界の仕事内容とは?未経験入社の初日から半年のリアルで紹介しているので、ここでは「日々どんなツールを使い、どんな作法で仕事を進めているのか」という文化そのものに絞ってお伝えします。
この記事でわかること
- Slackなど社内チャットツールで最初に戸惑った、独特のコミュニケーション作法
- Gitというバージョン管理ツールにまつわる、未経験者には馴染みのない言葉と作法
- 会議で飛び交う略語・横文字や、「まず自分で調べる」という文化への向き合い方
出社初日から面食らった、Slackでの「テキストが基本」のコミュニケーション文化
一番最初に戸惑ったのは、電話や対面での確認が当たり前だった前職と違い、社内のやり取りのほとんどがSlackというチャットツールのテキストで完結してしまうことでした。
理由は、直接声をかけるより、後から見返せる形でチャットに残しておく方が、離れた場所で働くメンバーにも情報が伝わりやすく、リモートワークを含む今の働き方と相性が良いからだと、働き始めてから理解しました。
入社初日、チームのチャンネルに招待されて簡単な自己紹介を投稿したものの、しばらく既読も返信もつかず、「気を悪くさせてしまったのだろうか」と落ち着かない気持ちで過ごしていました。数時間後にようやく👍のスタンプだけが返ってきて、それが「読んだよ、大丈夫」という意味だと知らず、しばらく反応の意味を測りかねていました。後日、先輩に「Slackは既読を気にする文化じゃないし、スタンプだけの返信も普通だから安心して」と言われ、テキストでのやり取りには独自の”間”があるのだと納得しました。加えて、自分の作業内容や気づいたことをひとりごとのようにつぶやく「分報」と呼ばれる個人チャンネルの存在も新鮮でした。最初は「独り言をわざわざ人に見える場所に書くなんて」と戸惑いましたが、進捗が自然と周囲に伝わり、声をかけるタイミングに悩まなくて済む仕組みだと分かってからは、自分でも使うようになりました。
テキストでのやり取りには、対面や電話にはない独特のマナーがあり、慣れるまでは数週間ほど戸惑う場面が続きました。
Gitというバージョン管理ツールの、独特な言葉と作法に戸惑った話
入社して最初の数日で、SEの同僚から「変更ができたらプルリクエスト出しておいて」と言われた瞬間、何を指しているのか全く分かりませんでした。
Gitは複数人で同じコードを安全に管理するための仕組みで、変更を提案する・確認してもらう・取り込むという一連の流れに、それぞれ独特の名前がついているためです。
「プルリクエスト」が「自分の変更内容をチームに確認してもらうための提出物」だと理解するまでに数日かかり、その間は画面を共有してもらいながら一つずつ操作を教えてもらっていました。ようやく操作に慣れてきた頃、別の担当者と同じファイルを触ってしまい、「コンフリクト」という状態が発生したこともあります。エラーメッセージを見ても意味が分からず固まっていたところ、SEの同僚が「二人が同じ場所を書き換えたから、どっちを残すか選ぶ必要があるだけだよ」と一緒に画面を見ながら直してくれ、身構えていたほど重大なトラブルではないと分かりました。
Gitの用語や作法は、最初は覚えることが多く感じましたが、実際に手を動かしてつまずきながら覚えていく方が、説明を読むだけより早く身についた実感があります。Gitを含め、朝会やタスク管理ツールなど職場で日常的に使う進め方については、後悔しない!Webエンジニアとは?未経験が知るべき仕事のリアルでも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
会議で飛び交う略語・横文字に最初はついていけなかった
会議中に略語や横文字が飛び交うたび、内容が半分も理解できていないと感じることがよくありました。
IT業界では、社内資料やチャットでのやり取りをすばやく済ませるために、略語や横文字がそのまま口頭の会話にも定着していることが多いからです。
実際に、入社から最初の1ヶ月ほどで戸惑った言葉を並べると、以下のようなものがあります。
| 用語 | 意味 | 最初に感じたこと |
|---|---|---|
| MTG | ミーティング(打ち合わせ) | 略語だと気づかず、そのまま読み方を検索してしまった |
| PR | プルリクエスト(コードの変更確認依頼) | 広報(Public Relations)のことだと思い込み、話の内容が理解できなかった |
| なる早 | なるべく早く | 具体的な期限ではないため、どれくらい急ぐべきか毎回確認していた |
| 朝会・デイリー | 毎朝の短い進捗共有 | 学校の「朝礼」とは違う、雑談を含まない短い報告の場だと知らなかった |
| キックオフ | プロジェクトの開始会議 | スポーツ用語のイメージが強く、初めて聞いたときは戸惑った |
一つひとつは調べればすぐに分かる言葉ですが、会議中に何度も知らない略語が出てくると気後れしてしまい、最初の数週間はメモを取りながら、後でこっそり調べる日々が続きました。
「まず自分で調べる」が徹底された、質問の前に踏むべきステップの文化
分からないことがあっても、すぐに人に聞くのではなく「まず自分で調べる」ことが徹底されているのも、前職とは違う独特な文化でした。
社内のドキュメントやWikiに情報がまとまっていることが多く、同じ質問を何度も受ける手間を減らすためにも、まず調べる習慣が定着しているからだと感じています。
入社して間もない頃、環境構築でエラーが出た際にすぐ隣の席の同僚に質問しようとしたところ、「まず社内のWikiで同じエラーが載っていないか調べてみて」と言われ、少し戸惑いました。実際に調べてみると、同じ内容の対処法がまとめられており、自己解決できたことも多くありました。それでも解決しないときは、「Wikiのこのページは見たけれど解決しなかった」と調べた過程を伝えたうえで質問すると、スムーズに教えてもらえることに気づきました。
「聞く前に調べる」という文化は、最初は少し突き放されたような気持ちになりましたが、自分で解決する力が少しずつ身についていく感覚もあり、今では合理的な仕組みだと感じています。
独特に感じたけれど、慣れると合理的だと納得できた点
戸惑ってばかりだったこれらの独特な文化も、数ヶ月経った今は、むしろ理にかなっていると感じる部分の方が多くなりました。
テキストでのやり取りも、Gitでの変更管理も、「誰が・いつ・何をしたか」を記録として残しながら進める点で共通しており、離れた場所で働くメンバーが多い環境では欠かせない仕組みだと分かってきたからです。
前職では、電話や対面で済ませた確認事項が記録に残らず、後から「言った・言わない」で困る場面もありましたが、今の職場ではチャットやプルリクエストのやり取りを後から見返せるため、認識のずれに気づきやすくなったと感じています。
独特に見えた文化の多くは、リモートワークを含む今の働き方に合わせて磨かれてきたものだと捉えると、必要以上に身構えなくてよいのではないかと思います。
まとめ
ここまで、未経験入社した私が、入社直後に実際に戸惑ったIT業界特有の実務ツール・仕事文化を紹介してきました。
- Slackなどのチャットツールでは、既読やスタンプでのやり取りなど独自のマナーがある
- Gitのプルリクエスト・コンフリクトなど、最初は分からない用語も手を動かしながら覚えられる
- 会議で飛び交う略語・横文字は、メモを取って後から調べる積み重ねで少しずつ慣れていく
- 「まず自分で調べる」文化は最初戸惑うが、自己解決力を養う仕組みでもある
- 独特に見える文化の多くは、理由を知れば納得できることが多い
入社直後は見慣れないツールと言葉に戸惑う場面が続きましたが、一つずつ意味を理解していくうちに、少しずつ職場の空気に馴染んでいけたと感じています。


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