「IT業界は残業が多くて激務」というイメージを、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「IT業界 残業」と検索している方の中には、これから未経験で転職を考えているものの、そのイメージが引っかかって一歩を踏み出せずにいる方もいると思います。私自身、転職活動を始める前は同じイメージを持っていて、正直かなり身構えていました。
この記事では、文系・未経験からIT業界に転職した私が、実際に働いてみて感じた残業の実態と、忙しい時期をどう乗り切っているかを、実体験ベースで紹介します。あくまで私が身を置いている環境での実感であり、IT業界全体・すべての企業に当てはまる保証ではないことをあらかじめお伝えしておきます。
この記事でわかること
- 私が実際に感じている残業の実態(頻度・きっかけ)
- 残業が発生しやすい場面・発生しにくい会社の違い
- 忙しい時期を私なりにどう乗り切っているか
結論:私の職場では、常に残業が多いわけではない
結論から言うと、私が働いている環境では、月を通して常に残業が多いわけではなく、繁忙期とそうでない時期の差がはっきりしています。
理由は、担当しているプロジェクトの進行状況によって、業務量に波があるためです。落ち着いている月はほぼ定時で終業していますが、リリース直前や仕様変更が重なった時期は、普段より残業が発生することがあります。
一般的に言われている目安として、IT業界は他業種と比べて残業が多い傾向があると紹介されることもありますが、これは会社や契約形態によって大きく差があると感じています。私の場合は、月によって残業時間にかなりの波があるというのが、実感に近い答えです。
残業が発生しやすいと感じる場面
私の経験上、残業が発生しやすいのは「リリース直前」と「仕様変更が重なったとき」の2つの場面です。
公開日が固定されている以上、その日までに作業を終わらせる必要があり、想定外の不具合や仕様の追加変更が発生すると、その分の作業時間が後ろにしわ寄せされるためです。
以前、あるリリースの直前に、想定していなかった表示崩れが複数の画面で見つかったことがありました。原因調査と修正、テストのやり直しに想定より時間がかかり、その週だけは普段より遅い時間まで作業することになりました。あらかじめ「今週は少し遅くなりそうだ」とわかっていたことで、平日の作り置きをやめて外食や惣菜で済ませる、洗濯物をまとめて休日に回すなど、自分の生活側でも早めに調整できたのはありがたかったです。逆に、機能の追加がなく保守運用が中心の時期は、ほとんど定時で終わる日が続きます。
残業の多さは、契約形態によっても差があると感じる理由
私が見聞きしている範囲では、残業の発生しやすさは、会社の契約形態(自社開発・受託開発・SES)によっても傾向が変わると感じています。
契約ごとに納期や指揮命令の関係が異なり、それが現場での業務量の調整のしやすさに影響するためです。契約形態そのものの違いについては自社開発・受託開発・SESの違いを未経験者向けに解説で詳しく紹介しています。
私が所属している会社は自社開発・受託開発の両方を行っており、受託側のプロジェクトで納期が固定されている案件では、自社サービス側より業務量の波が大きい印象があります。以前、繁忙期の受託チームへ一時的に応援に入った経験がありますが、そのときは普段より業務量が多い状態を実感しました(この経験については別の記事でも紹介しています)。転職活動中に見聞きした話では、SES企業では配属先の案件次第で残業の発生しやすさが変わるという話も聞きました。同じ会社でも、案件やプロジェクトによって差が出ることがあるという点は、押さえておきたいポイントです。あくまで私が見聞きした範囲での傾向ですが、契約形態別に簡単に整理すると次のようになります。
| 契約形態 | 残業の発生しやすさの傾向 |
|---|---|
| 自社開発 | 納期を社内で調整しやすく、比較的コントロールしやすい印象 |
| 受託開発 | 納期が固定されている案件が多く、繁忙期の波が大きくなりやすい |
| SES | 配属先の案件次第で差が大きく、一概には言えない |
忙しい時期を、私なりにどう乗り切っているか
忙しい時期を乗り切るために私が意識しているのは、「早めに周囲へ状況を共有すること」と「自分の生活の予定を事前に調整しておくこと」の2つです。
業務量が増えそうな兆候に早く気づいて周囲に伝えておくことで、タスクの割り振りを見直してもらえる可能性があり、また自分自身も早めに心構えをして生活の予定を調整しやすくなります。
- タスクの見積もりが怪しいと感じたら早めに相談する:自分だけで抱え込まず、「このタスクは想定より時間がかかりそうです」とPMやSEの同僚に早めに共有することで、対応の優先順位を一緒に考えてもらえることがあります。
- 忙しくなりそうな週は、事前に自分の生活の予定を調整しておく:直前に慌てるのではなく、見通しが立った時点で家事や予定を軽くしておくことで、忙しい週も乗り切りやすくなります。
- 忙しい時期が終わったら、無理をしすぎていないか振り返る:一段落したタイミングで、睡眠時間や体調に無理が出ていなかったかを振り返るようにしています。
転職活動の段階で、残業の実態をどう見抜くか
転職活動の段階でも、面接での質問の答え方や求人票の記載から、残業の実態をある程度うかがい知ることができます。
労働環境を把握し改善しようとしている会社ほど、残業に関する質問に具体的に答えられる傾向があるためです。ブラックな求人を避けるための具体的な確認ポイントについてはブラックなIT求人を避けるために見るべきポイントで詳しく紹介しているので、ここでは概要にとどめます。
私自身、面接で「繁忙期にはどれくらい残業が発生しますか」と質問した際、ある企業では「リリース前の1〜2週間は普段より残業が増えることがある」と具体的に答えてもらえ、別の企業では「特に把握していない」という曖昧な返答でした。この差は、実際に入社してからの実感とも重なる部分があり、面接での答え方の具体性は、一つの判断材料になると感じています。
まとめ
ここまで、私が実際に感じているIT業界の残業事情と、忙しい時期の乗り切り方を紹介してきました。
- 常に残業が多いわけではなく、繁忙期とそうでない時期の差が大きい
- リリース直前・仕様変更が重なったときに残業が発生しやすい
- 契約形態(自社開発・受託開発・SES)によっても、残業の発生しやすさに傾向の差がある
- 早めの相談・自分の生活の事前調整・振り返りで、忙しい時期を乗り切っている
「IT業界=常に激務」というイメージだけで判断せず、会社ごとの実態を面接や求人票から確認していくことをおすすめします。ブラックな求人を避けるための具体的なチェックポイントは、別の記事でさらに詳しく紹介しています。

