IT業界への転職を調べていると、「IT業界はやめとけ」という言葉を一度は目にするのではないでしょうか。私自身、転職活動を始める前にこの言葉をネットで見かけ、正直かなり不安になった経験があります。せっかく決意しかけていた気持ちが、この一言でぐらついてしまったことを覚えています。
この記事では、「IT業界 やめとけ」と検索してこのページにたどり着いた方に向けて、文系・未経験からIT業界に転職した私が、実際に働いてみて感じたことをもとに、「やめとけ」論を一つずつ検証していきます。求人選びの段階で見抜ける危険なサインについてはブラックなIT求人を避けるために見るべきポイントで、業界そのものの将来性についてはIT業界は本当に将来性がある?で紹介しているので、ここでは「業界全体に向けられた悪評をどう受け止めればいいか」に絞ってお伝えします。
この記事でわかること
- 「IT業界はやめとけ」と言われる理由の整理
- 実際に働いてみて「本当だった」と感じた部分
- 「思っていたのと違った」と感じた部分
そもそも、なぜ「IT業界はやめとけ」と言われるのか
結論から言うと、「やめとけ」論の背景には、いくつかの具体的な理由が組み合わさっていると感じています。
理由は、IT業界が幅広い業態(自社開発・受託開発・SESなど)を含む言葉であり、その中の一部で実際に起きている問題が、業界全体のイメージとして語られやすいためです。
| よく言われる理由 | 背景にある事情 |
|---|---|
| 残業や納期に追われる | 納期優先のプロジェクトで負荷が集中しやすい構造がある(詳しくは別の記事で紹介) |
| 多重下請けで労働環境が悪い | SESの契約が何段階も連なる案件がある(詳しくは別の記事で紹介) |
| 技術がすぐ古くなる | 変化の速い業界で、学び続ける必要がある |
| 未経験者は使い捨てにされる | 教育体制が整っていない企業も一部に存在する |
私が転職活動を始めた当初、この言葉を投げかけてきたのは、当時の職場の先輩でした。「IT業界は聞いた話だと大変らしいよ、やめといたほうがいいんじゃない」と言われ、具体的な根拠があったわけではなさそうでしたが、それでも一度は転職への気持ちが揺らいだのを覚えています。
実際に働いてみて「本当だった」と感じた部分
正直に言うと、「やめとけ」論の中には、実際に働いてみて的を射ていたと感じる部分もありました。
業界全体で見れば、確かに納期優先で業務量の波が大きいプロジェクトや、労働環境にばらつきのある企業が存在すると、実際に見聞きしてきたためです。
私自身、繁忙期には普段より遅くまで作業することがありますし(残業の実態については別の記事で詳しく紹介しています)、転職活動中にSES企業の求人について調べる中で、契約の階層によって労働環境に差が出ることも知りました。こうした側面だけを切り取れば、「やめとけ」と言いたくなる人がいるのも理解できると感じています。
「思っていたのと違った」と感じた部分
一方で、実際に働いてみて「イメージと違った」と感じた部分も多くあります。
「やめとけ」論の多くが、特定の会社・特定の働き方(特に一部のSES案件や、労働環境が整っていない企業)を念頭に語られている印象があり、業界全体に一律に当てはまる話ではないと感じたためです。
私が今働いている環境では、業務量の波はあるものの常に激務というわけではなく、リモートワーク中心の柔軟な働き方もできています。転職前に想像していたよりも、実務スキルで評価される環境や、需要のある分野に身を置ける安心感といった良い面も多く感じています(これらのメリットについては未経験からIT転職する5つのメリットで詳しく紹介しています)。「やめとけ」という言葉だけを鵜呑みにして選択肢から外していたら、これらの実感には出会えなかっただろうと思います。
「やめとけ」論が当てはまりやすいケース・当てはまりにくいケース
ここまでの実感を整理すると、「やめとけ」論は会社や働き方によって当てはまりやすさが変わると感じています。
IT業界とひとことで言っても、契約形態・企業ごとの体制・配属される案件によって、実態が大きく異なるためです。
| 状況 | 「やめとけ」論との関係 |
|---|---|
| 教育体制が整っていない企業への入社 | 当てはまりやすい。求人票・面接での確認が重要(詳しくは別の記事で紹介) |
| 多重下請けの案件への配属 | 当てはまりやすい可能性がある。配属の決まり方の確認が有効 |
| 教育体制・労働環境を整えている企業への入社 | 当てはまりにくい。実際に評価制度や働き方の柔軟性を実感できることもある |
「IT業界かどうか」よりも、「どんな会社・どんな案件に身を置くか」の方が、実感に近い影響を与えていると感じています。会社選びで確認すべきポイントは、別の記事でより具体的に紹介しています。
それでも転職を決めた理由
こうした賛否両方の情報がある中で、私が最終的に転職を決めたのは、「やめとけ」という言葉だけで判断するのではなく、自分で実際に情報を集めて確かめようと思ったからです。
ネット上の言葉は、発信者の立場や経験した状況によって大きく偏る可能性があり、自分の状況に当てはまるかどうかは、自分で確認するしかないと感じました。
転職活動中、複数の企業やエージェントに話を聞き、実際に働いている人の声にも触れる中で、「やめとけ」という一言では片づけられない多様な実態があることが見えてきました。最終的には、自分が置かれる可能性のある環境を具体的に確認したうえで、転職を決断しました。
まとめ
ここまで、「IT業界はやめとけ」という言葉について、私自身の実体験をもとに検証してきました。
- 「やめとけ」論の背景には、残業・多重下請け・教育体制不足など、具体的な理由が存在する
- 実際に働いてみて、一部の側面は的を射ていると感じることもあった
- 一方で、業界全体に一律に当てはまる話ではなく、会社や案件によって実態は大きく異なる
- 「やめとけ」という言葉だけで判断せず、自分で情報を確かめることが大切
「IT業界はやめとけ」という言葉は、一部の実態を反映している一方で、業界全体を語り尽くしているわけではないというのが、私の正直な実感です。気になる会社があれば、言葉だけで判断せず、求人票や面接で実態を確認してみることをおすすめします。

