転勤なしで働ける?未経験からのIT転職で確認したい配属のリアル

会社選び・注意点

「IT業界なら転勤は少ないと聞くけれど、本当だろうか」「今の会社のように、会社都合で住む場所まで変えられてしまうのは、もう嫌だ」——「IT業界 転勤」と検索している方の中には、これから転職活動を始めるにあたって、勤務地が自分の意思とは関係なく変わってしまうことへの不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

私自身、IT業界へ転職する前は、会社の都合で住む場所そのものが変わってしまうかもしれないという感覚に、漠然とした窮屈さを感じていた一人です。文系・未経験からIT業界に転職し、今はWebエンジニアとしてリモートワーク中心で働いている今だからこそ分かる、転職活動中に実際に確認した「転勤」や「配属」のリアルな中身を、この記事ではお伝えします。

この記事でわかること

  • IT業界、特にWeb系の自社開発・受託開発企業で転勤が少ないと言われる理由
  • 求人票や面接で実際に確認しておきたい、転勤の有無の見極め方
  • 「配属」という言葉が、実際の現場では何を指しているのか

結論:Web系の自社開発・受託開発企業は、転勤が少ない傾向にある

少なくとも私が実際に働いてきた環境で見る限り、Web系の自社開発・受託開発を行う企業では、転勤の心配をする必要性はかなり低いというのが実感です。

背景には、こうした企業の多くが、拠点を全国に展開する必要のあるビジネスモデルではないという事情があります。実店舗や地域ごとの営業所を必要とする業態とは違い、インターネット経由でサービスを開発・提供する仕事は、事業が拡大しても物理的な拠点を増やす必要性が薄く、本社1つで完結しているケースが少なくありません。

実際、私が今勤めている会社にはそもそも支社や支店という概念自体が存在せず、オフィスは一箇所だけです。入社してからこれまで、会社都合で勤務地が変わったことは一度もありませんし、そもそも「転勤」という言葉自体を社内で耳にした記憶がありません。もちろんこれは私が働いている一つの会社の話であり、IT業界のすべての企業がそうだと保証するものではありませんが、少なくとも「IT業界だから転勤は避けられない」と思い込む必要はないと感じています。

なぜ前職は転勤が当たり前で、今の会社ではほとんど話題にならないのか

前職と今の職場を比べて感じるのは、拠点の数がそのまま転勤の起こりやすさに直結しているということです。

拠点が複数あればあるほど、そのぶん人員配置を調整する必要が生まれます。逆に拠点が1つしかなければ、そもそも「異動先」という選択肢自体が存在しません。単純な話ですが、これが前職と今の会社の一番の違いだと感じています。

前職の会社は全国に支店を持つ形態で、数年に一度、会社都合の異動が発生する規定になっていました。私自身は幸い転勤を経験しないまま転職に踏み切りましたが、同期入社だった同僚が地方の支店への異動を告げられ、同僚自身が当時付き合っていた相手と離れて暮らすことになった、と話していたのを覚えています。他人事とは思えず、「自分もいつかこうなるかもしれない」という漠然とした不安を抱えていました。今振り返ると、住む場所すら自分で決められないという感覚が、働き方そのものへの窮屈さとして積み重なっていたのだと思います。

その点、今の会社のようにオフィスが一箇所しかない企業では、そもそも「異動先」という選択肢自体が存在しないため、転勤という概念そのものが発生しにくい構造になっています。転職活動を進める中でこの違いに気づいたときは、単に「通勤が楽になる」という以上に、生活の土台そのものを自分でコントロールできる感覚があり、安心材料の一つになりました。

転職活動中、求人票や面接で実際に確認した「転勤の有無」

転勤の有無は、求人票の勤務地欄の記載と、面接での直接確認の両方で確かめるのが確実だと感じています。

求人票の記載だけでは、実態まで読み取りきれないことがあったためです。「転勤なし」と明記されている求人が多い一方で、記載自体がない求人や、大手のシステム開発会社の求人票には「転勤:あり(拠点間の異動の可能性あり)」という一文を見かけたこともありました。

求人票の記載パターン 実際に確認しておきたいこと
「転勤:なし」と明記されている そもそも拠点が一箇所しかないのか、複数拠点はあるが制度上転勤がないのかを面接で確認する
「転勤:あり(拠点間の異動の可能性あり)」 異動の頻度・対象範囲(全国か、近隣エリアのみか)・打診から実施までの猶予期間を質問する
勤務地欄に転勤についての記載自体がない 記載がないことを「転勤なし」と思い込まず、面接や転職エージェントに直接確認する

実際に面接で「今後、勤務地が変わる可能性はありますか」と直接聞いたことがあるのですが、ある企業からは「本社以外に拠点がないため、転勤の実績自体がありません」という回答をもらい、その場でかなり安心したことを覚えています。別の企業(結局は選考を辞退した企業です)では、「将来的に拠点を増やす計画があり、そのタイミングでは異動をお願いする可能性がある」という説明を受け、記載のない求人票だけを見ていたら気づけなかった情報だと感じました。転職エージェントからも、「大手のシステム開発会社やメーカー系の情報システム子会社では転勤の可能性が相対的に高く、Web系の自社開発中心の企業ではそもそも拠点展開の必要性が薄いぶん転勤の心配は少ない傾向にある」という話を聞いたことがあり、これはあくまで担当者から聞いた一般的な傾向としての話ですが、実際に自分が見てきた求人の記載傾向とも重なる部分がありました。

「配属」が意味していたのは、住む場所ではなくチームやプロジェクトだった

私がIT業界で実際に経験した「配属」は、勤務地の話ではなく、社内のどのチーム・どのプロジェクトに加わるかという話でした。

転職活動を始める前の私は、「配属」という言葉を前職の感覚のまま「どの支店に配属されるか」という意味で捉えていました。実際に転職してみると、少なくとも自社開発・受託開発中心の会社では、配属という言葉はチーム単位の話として使われていたのです。

入社が決まった際、面接で見聞きした複数のプロジェクトのうち、自分がどのチームに加わることになるのか内心そわそわしていたのですが、実際に告げられたのは「自社サービスを開発しているチームに入ってもらいます」という、勤務地とはまったく関係のない内容でした。入社初日からオフィス自体は最初から一箇所しかないため、「どこで働くか」で悩む必要はなく、「誰とどんな仕事をするか」だけを考えればよかったのです。この「配属先が変わっても住む場所は変わらない」という感覚は、前職では想像もできなかったもので、転職して初めて実感できた変化の一つでした。

それでも注意しておきたいケース:会社の業態によって差がある

ただし、IT業界全体が一律に転勤と無縁というわけではなく、会社の業態によって傾向に差があることは押さえておく必要があります。

IT業界と一口に言っても、拠点展開の考え方が大きく異なる業態が混在しているためです。自社開発・受託開発・SESそれぞれの働き方の違いについては、別の記事(未経験者必見!自社開発・受託開発・SESの違いを比較解説)で比較していますので、あわせて参考にしてみてください。

会社の業態 転勤・勤務地変動の傾向
Web系の自社開発中心の企業 拠点が本社一箇所のみのケースが多く、転勤自体が発生しにくい傾向
受託開発中心の企業 案件によっては客先への常駐が発生することがあるが、これは「転勤」とは性質が異なる仕組み
SES企業 客先常駐が前提の働き方で、住む場所への影響が出るケースもあるが、契約に基づく常駐であり制度上の転勤とは仕組みが異なる
大手SIer・メーカー系情報システム子会社 全国に拠点を持つ企業も多く、他の業態と比べると転勤が発生する可能性が相対的に高い傾向

特にSES企業の客先常駐については、以前の記事(SESとは?後悔しないために知っておきたい仕組みと多重下請け構造)で仕組みそのものを詳しく紹介していますが、「勤務先が変わる」という点では転勤と似た印象を持たれることがあります。ただ、雇用主が変わらないまま契約先の現場で働くという性質上、住民票を移すような転居を前提とはしていない点が、いわゆる転勤とは異なります。また、フルリモートを掲げる求人の中にも、月に数回程度は本社への出社を求める条件が付いているケースを見たことがあり、遠方に住んでいる場合はその頻度によって実質的な負担が変わってくると感じました。「転勤の有無」だけでなく、「定期的な出社が必要かどうか」も含めて確認しておくと、入社後のギャップを減らせるのではないかと思います。

まとめ

ここまで、「IT業界 転勤」と検索してこの記事にたどり着いた方に向けて、私自身の実体験をもとに、IT業界における転勤・配属のリアルな中身をお伝えしてきました。

  • Web系の自社開発・受託開発企業は、拠点展開の必要性が薄いぶん、転勤が少ない傾向にある
  • 求人票の「転勤」欄の記載だけで判断せず、面接やエージェントへの質問で実態を確認するのが確実
  • 「配属」は住む場所の話ではなく、チーム・プロジェクトへの割り当てを指すことが多い
  • ただし会社の業態(自社開発・受託開発・SES・大手SIer等)によって傾向は異なるため、個別に確認する必要がある

会社都合で住む場所まで変えられてしまうかもしれないという窮屈さは、私自身が転職を考える大きなきっかけの一つでした。「IT業界だから安心」と決めつけるのではなく、気になる会社があれば、求人票の記載と面接での確認を組み合わせて、自分の目で転勤の有無を見極めてみることをおすすめします。

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