会社員のままでいい?エンジニアがフリーランス独立を悩んだ末の結論

キャリア・働き方

「エンジニア フリーランス」と検索している方の中には、今の会社に所属したまま働き続けるべきか、それとも思い切って独立するべきか、迷っている人もいるのではないでしょうか。SNSやnoteで、フリーランスとして独立したエンジニアの体験談を見かけるたびに、自分もこのままでいいのだろうかと落ち着かない気持ちになる、という声も見かけます。

私自身、文系・未経験からIT業界に転職し、現在は開発エンジニアとしてリモートワークをしながら働いていますが、一度フリーランスとして独立することを本気で検討した時期があります。この記事では、独立を意識したきっかけから、実際に調べたこと、そして今のところ会社員を続けると判断した理由まで、実体験をもとに紹介します。なお、副業として個人の案件を受けた経験についてはエンジニア副業は未経験でもできる?本業との両立で感じたことで紹介しているため、この記事では「会社を辞めて独立する」という選択肢に絞って書きます。

この記事でわかること

  • フリーランス独立を意識し始めたきっかけ
  • 独立を検討する際に実際に比較した3つの軸
  • 今のところ独立しないと判断した理由

そもそも、フリーランス独立を意識し始めたきっかけ

独立を考え始めたきっかけは、副業で受けたある案件がひと区切りついたタイミングでした。

要件のヒアリングから納品まで一人で対応した案件が終わったとき、会社員として働くときとは違う達成感があり、この働き方を本業にしたらどうなるのだろうと考えるようになったためです。ちょうど同じ時期、SNSで、SES企業に勤めているエンジニアの知人が「独立してフリーランスになりました」と投稿しているのを見かけたことも、独立という選択肢を意識するきっかけの一つになりました。

ただ、副業の案件を一つ終えられたからといって、それがそのまま独立して生活していけることを意味するわけではないと感じ、実際に何を調べればいいのかを整理することから始めました。

独立を検討する際に、実際に比較した3つの軸

独立を考えたとき、私は「収入の安定性」「社会保険・税金の手続き」「仕事を途切れさせない集客力」という3つの軸で、今の働き方と比較してみました。

この3つを選んだ理由は、独立体験談を読むと「自由に働ける」という良い面ばかりが目に入りやすい一方、生活を支える土台に関わる部分ほど具体的な情報が少ないと感じたためです。実際に自分の状況に当てはめて調べてみないと、判断材料にならないと考えました。

比較した軸 会社員(今の働き方) フリーランス(独立した場合)
収入の安定性 毎月ほぼ一定額の給与が振り込まれる 案件の受注状況によって月ごとの収入に波が出ると、調べた範囲では感じた
社会保険・税金の手続き 社会保険料は会社が半分を負担し、厚生年金にも加入している 国民健康保険・国民年金への切り替えが必要で、保険料は全額自己負担になると調べて分かった
仕事を途切れさせない集客力 会社が仕事を割り振ってくれるため、自分で営業する必要がない 案件を切らさないよう、自分で継続的に営業・提案を行う必要がある

特に社会保険・税金の手続きについては、独立体験談ではあまり触れられていないことが多く、自分で市区町村の窓口の案内やインターネット上の一般的な説明を調べて、初めてその負担の大きさをイメージできました。数字自体は状況によって幅があるため、あくまで「調べて分かった大まかなイメージ」として受け止めています。

知人に聞いた、フリーランスとして働くリアルな声

先ほど触れた、SNSで独立を報告していた知人に、実際に話を聞く機会がありました。

本やネットの情報だけでなく、実際に独立した人の生の声を聞いておきたいと思ったのが理由です。

知人によると、案件が途切れず入ってくる月もあれば、営業や見積もりのやり取りに時間を取られて思うように稼働できない月もあるとのことでした。「会社員のときのように、黙っていても次の仕事が用意されているわけではない」という一言が特に印象に残っています。これはあくまで知人一人の話であり、フリーランス全体の実情を代表するものではありませんが、独立体験談を読むだけでは見えてこなかった生々しさがありました。

試算と知人の話を通じて、「今は踏み切れない」と感じた理由

ここまで調べて話を聞いた結果、今の私は独立に踏み切らないという判断をしています。

収入が安定しない期間が生活に直結するリスクと、営業活動を含めたすべてを一人で背負う負荷を考えたとき、今の自分にはまだ見合わないと感じたことが理由です。

一人暮らしで生活費をすべて自分で支えている状況もあり、収入が数ヶ月落ち込んだ場合にどこまで耐えられるかを具体的に想像したとき、正直なところ不安の方が大きく上回りました。会社員であれば、体調を崩して数日休んでも給与や仕事の割り振りが大きく崩れることはありませんが、フリーランスではその調整も自分次第になります。この「何かあったときの調整役が自分しかいない」という感覚が、想像していた以上に重く感じられました。

今の会社員としての働き方に、実はすでに満たされていた部分があった

独立を検討する過程で、自分がフリーランスに求めていたものの一部は、実は今の会社員としての働き方の中ですでに得られていたことに気づきました。

フリーランスに惹かれた大きな要素が「働く時間や場所の自由度」だったのに対し、リモートワーク中心の今の働き方でも、通勤時間がなくなり、休憩時間の使い方や日中の生活リズムをある程度自分で調整できていたことに気づいたためです。

未経験スタートでも大丈夫?エンジニアが実践したキャリアアップ術で書いたように、以前、キャリアの方向性をスペシャリストにするかジェネラリストにするか迷った際にも、専門性を極めることより、今の生活スタイルを保ちながら働ける柔軟性を優先したいという結論に落ち着いたことがありました。今回、独立を検討する中で同じように「自由度」を軸に考えてみると、会社員のままでも通勤や働く時間の柔軟性という面ではすでにかなり満たされており、独立してまで得たい自由度の差は、自分が最初に思っていたほど大きくないと気づいた出来事でした。

それでも、独立という選択肢を完全に手放したわけではない理由

今回の検討を経て、当面は会社員を続けることに決めましたが、独立という選択肢自体をこの先もずっと排除するつもりはありません。

今の判断はあくまで現時点の収入状況・スキル・生活状況を前提にしたものであり、この先状況が変われば比較の結果も変わりうると考えているからです。

副業として個人の案件を受ける経験は今後も少しずつ積み重ねていくつもりで、その中で仕事を継続的に受注できる見通しが立てば、あらためて独立を検討する材料になるかもしれません。もちろん、これは私が今の時点でそう考えているというだけで、独立すれば必ずうまくいく、あるいは会社員を続ける方が必ず正解だと保証できるものではありません。

まとめ

ここまで、会社員として働きながらフリーランス独立を検討した実体験を紹介してきました。

  • 独立を意識したきっかけは、副業案件をやり遂げた達成感と、知人の独立報告だった
  • 収入の安定性・社会保険や税金の手続き・仕事の集客力という3つの軸で、会社員とフリーランスを比較してみた
  • 知人から聞いた生の声も踏まえ、収入の変動リスクとすべてを一人で背負う負荷を考えて、今は会社員を続けると判断した
  • 独立に求めていた自由度の一部は、リモートワーク中心の今の働き方ですでに満たされていたと気づいた

フリーランス独立は、会社員を続けるか辞めるかの二択で焦って決める必要はなく、自分の生活状況やスキルの積み上がり具合に合わせて、そのつど比較検討していけばよい選択肢の一つだと感じています。

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