リモートワークを始めてから、朝起きてから夜寝るまで、誰とも一言も話さないまま1日が終わっていた、という経験をしたことはないでしょうか。「リモートワーク 孤独」と検索している方の中には、まさに今そういう状態にあり、この働き方を続けていて大丈夫なのだろうかと不安になっている方もいるのではないかと思います。私自身、文系・未経験からIT業界に転職し、Webエンジニアとして働くようになってから、同じような孤独感を何度も味わってきました。
職場での人付き合い自体については、コミュ力なくても平気?未経験エンジニアが見た人間関係のリアルでコミュニケーションの取り方として紹介したことがありますが、今回書きたいのはそれとは少し違う話です。仕事上のやり取りがうまくいっているかどうかとは関係なく、「一人暮らしで日中誰とも話さない」という状態そのものが、じわじわと心に効いてくる感覚があります。リモートワーク全般の良い面・大変な面については良いことばかりじゃない、リモートワークのデメリットと対処法で総論として整理しているので、この記事では「孤独感」という一点に絞って、私が実際に感じたこと・気づいたこと・自分なりに続けている対処法を紹介します。
この記事でわかること
- 私が「リモートワークは孤独だ」と初めて強く意識した、具体的なきっかけ
- 出社していた頃には気づかなかった、何気ない会話がどれだけ孤独感を防いでいたか
- 孤独感が特に強くなるタイミングと、一人暮らしの私が続けている対処の工夫
孤独を強く意識した、声がかすれていたある日のこと
私が最初にこの孤独感をはっきり自覚したのは、社内の会議も特に予定されていない、ごく普通の平日でした。
その日は朝からずっと一人で実装作業を進めていて、チャットでのやり取りはいくつかあったものの、声に出して誰かと話す場面が一度もありませんでした。夕方、急に確認事項が発生し、珍しくSEの同僚と音声通話をつなぐことになったのですが、開口一番「今日、声かすれてません?体調大丈夫ですか」と心配されてしまいました。よく考えると、その日初めて声を出したのがその通話で、朝起きてから10時間以上、一言も声を発していなかったことになります。体調が悪かったわけではなく、単純に声を使っていなかっただけだったのですが、その事実に気づいたとき、正直かなり戸惑いました。
出社していた頃は、こんなことは一度もありませんでした。改めて振り返ってみると、通勤中の駅やオフィスの受付、エレベーターの中など、意識していなくても1日に何度も声を出す場面があったのだと、この出来事で初めて気づかされました。
出社していた頃に何気なく交わしていた会話が、静かに消えていた
先ほどの出来事をきっかけに振り返ってみると、出社していた頃は業務上必要な会話以外にも、意識せずに交わしていた小さな会話がたくさんあったのだと実感しました。
これらの会話は、内容そのものに大した意味はなくても、「誰かと言葉を交わした」という実感を積み重ねてくれていたのだと思います。リモートワークになってからは、この積み重ねがそっくりなくなり、代わりに残ったのは必要最低限のチャットのやり取りだけでした。
| 出社していた頃、自然に生まれていた会話 | リモートワークになってからの変化 |
|---|---|
| 通勤路やビルの受付ですれ違う人との挨拶 | 家から一歩も出ない日は、挨拶を交わす相手がそもそもいない |
| 給湯室やエレベーターでの「今日は暑いですね」程度の世間話 | 用件のないタイミングで人と顔を合わせる機会自体がなくなった |
| ランチタイムに同僚と交わす業務外の雑談 | 一人で食事を済ませることが増え、意識してオンラインランチ等を企画しない限り雑談の機会がない |
| 離席・帰宅時の「お先に失礼します」の一言 | PCを閉じるだけで1日が終わり、誰かに声をかける区切りがない |
一つひとつは些細な会話ばかりですが、こうして並べてみると、出社していた頃の自分は、業務のためというより「人と一緒にいる」という感覚を保つために、無意識のうちにこれだけの会話をしていたのだと気づきました。
仕事のやり取りには困っていない、という切り分け
ここで一つ整理しておきたいのは、業務上のコミュニケーションと、ここまで書いてきた孤独感は、別の軸の話だということです。
報告・相談・質問といった仕事に必要なやり取り自体は、チャットやオンライン会議で問題なく進められています。分からないことがあれば同僚に質問できますし、返信が来ないまま放置されることもほとんどありません。つまり「仕事が回っていない」わけでも「職場の人間関係がうまくいっていない」わけでもなく、業務上の困りごとという意味では特に不自由を感じていません。
それでも孤独感が消えないのは、「必要な連絡が取れているか」と「誰かと一緒にいる感覚を持てているか」が、まったく別の話だからだと感じています。前者が満たされていても、後者が満たされないままだと、じわじわと寂しさが積み重なっていく感覚があります。
孤独感が特に強くなる3つのタイミング
毎日同じように孤独を感じるわけではなく、私の場合、特にこの3つのタイミングで孤独感が強くなると感じています。
- 会議が一つもない日:オンライン会議があるだけでも、画面越しに人の顔を見て声を聞く時間ができます。逆に会議が一つもなく、チャットのやり取りだけで1日が終わる日は、誰の顔も見ないまま夜を迎えることになり、孤独感を強く感じやすいと気づきました。
- 週1回の出社日の前日の夜:意外だったのですが、翌日出社すると分かっている日の夜は、逆に「明日は誰かと話せる」という安心感から、その日の孤独感をあまり気にせず過ごせています。反対に、次の出社日まで何日もあると分かっている日は、その分だけ孤独感が強く出やすいと感じています。
- 体調を崩して寝込んだ日:一人暮らしで体調を崩すと、心配して声をかけてくれる人が物理的に側にいないため、孤独感がいつもより強く出ます。だるさで作業自体を休んでいるのに、業務連絡のチャット以外は誰とも連絡を取らないまま1日が終わったことがあり、このときの寂しさは特に印象に残っています。
一人暮らしの私が孤独感と付き合うために続けている工夫
孤独感そのものを完全になくす方法は今のところ見つけられていませんが、悪化させないために、いくつか自分なりの工夫を続けています。
- 昼休みに必ず外へ出る:天気が悪い日でも、近所のコンビニまで歩くだけの用事を作るようにしています。店員さんとのちょっとしたやり取りだけでも、その日1回目の会話になることが多く、声を出すきっかけを意識的に作っています。
- 週に一度は誰かと電話で話す予定を入れる:前職時代の友人に、業務の合間の休憩時間や仕事終わりに電話をかけることがあります。用件があるわけではなく、近況を話すだけの通話ですが、この時間があるとないとで1週間の気の張り方がかなり違うと感じています。
- あえて人がいる場所で作業する日を作る:近所のカフェや図書館の学習スペースなど、知らない人でも周りに人の気配がある環境で作業する日を、月に数回だけ意識的に設けています。会話をするわけではありませんが、それだけで孤独感がかなり和らぐと感じています。
- 実家に電話をかける頻度を増やした:転職前はそれほど頻繁に連絡を取っていませんでしたが、今は週末に実家へ電話をかけることを習慣にしています。親と近況を話す何気ない時間が、平日にたまった孤独感を軽くしてくれていると感じています。
- 独り言や環境音をあえて使う:作業中にラジオや配信を流しっぱなしにしたり、考えごとをあえて声に出したりするようにしています。誰かと話しているわけではありませんが、部屋の中に自分の声以外の音がある状態を作るだけでも、無音の部屋で一人作業を続けるよりは気が紛れると感じています。
どれも根本的な解決策というよりは、孤独感と折り合いをつけるための小さな工夫です。ただ、この5つを続けるようになってから、以前ほど「今日は誰とも話していない」という事実に落ち込むことは減りました。
それでも、この働き方を選び続けている理由
ここまで孤独感について正直に書いてきましたが、それでも私は今の働き方を続けたいと思っています。
通勤の負担がなくなったことや、自分のペースで生活を組み立てられるようになったことは、孤独感と引き換えにしても手放したくないと感じるくらい大きな変化でした。孤独感は「リモートワークが向いていないサイン」というよりも、「一人暮らしという環境と組み合わさったときに出てくる副作用」に近いというのが、今の実感です。だからこそ、働き方そのものをやめるのではなく、孤独感の方に自分から手を打っていくという考え方に落ち着きました。
もちろん、この感じ方には個人差があると思います。一人で過ごす時間が苦にならない人もいれば、私のように意識して工夫しないと寂しさが積み重なってしまう人もいるはずです。もし今、同じような孤独感を抱えているのであれば、それは働き方が間違っているサインではなく、生活の中に人と話す時間を意識的に作る必要があるサインなのかもしれません。
まとめ
ここまで、一人暮らしでリモートワークをする中で感じてきた孤独感について、私自身の実体験をもとに紹介してきました。
- 同僚との音声通話で声のかすれを指摘されたことがきっかけで、孤独感を強く意識するようになった
- 出社していた頃は、通勤路やオフィスでの何気ない会話が孤独感を防いでくれていたと、失って初めて気づいた
- 業務上のコミュニケーションに困っていないことと、孤独感があることは、別の軸の話として切り分けて考えている
- 会議のない日・出社日まで間が空いている時期・体調を崩した日に、特に孤独感が強くなりやすい
- 昼休みの外出、電話での会話、人がいる場所での作業など、5つの工夫を続けることで折り合いをつけている
孤独感は、リモートワークという働き方そのものをやめる理由にはなりませんでしたが、放っておいてよいものでもないというのが、私の正直な実感です。同じように感じている方は、まず自分がどんなタイミングで孤独を強く感じるのかを振り返ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。


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