ついていけない?未経験からのIT研修、入社後のリアルと乗り越え方

キャリア・働き方

「研修についていけなかったらどうしよう」——「IT研修 未経験」と検索している方の中には、これから未経験でIT業界に転職する予定があり、専門用語も右も左も分からない状態で研修が始まったとき、周りに置いていかれるのではないかという不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。私自身、文系・未経験で今の会社に入社したとき、面接で聞いていた研修の説明と、実際に始まってからの体感には、正直かなりの差がありました。

この記事では、入社してからしばらく経った今、当時の研修期間そのものを振り返って紹介します。入社後に実際どんな仕事を任されるようになったかという業務内容の変化はIT業界の仕事内容とは?未経験入社の初日から半年のリアルで詳しく紹介しているので、ここでは「配属される前の研修期間に何があったか、そのときどう感じていたか」に絞ってお伝えします。

この記事でわかること

  • 未経験者向けのIT研修に、どれくらいの幅があるのか
  • 私が実際に受けた研修の中身と、「ついていけない」と感じた具体的な瞬間
  • 同期との差に落ち込んだ経験と、その気持ちの立て直し方

そもそも、未経験者向けの「IT研修」にはどれくらいの幅があるのか

結論から言うと、「IT研修」とひとくくりに言っても、その中身は会社によってかなり幅があります。

理由は、大人数の未経験者を一括採用する会社と、少人数を都度採用する会社とでは、研修にかけられる時間もやり方も自然と変わってくるからです。

転職活動中、複数のエージェントから聞いた話では、大手のSIerや大量採用をしている企業では、数週間から数ヶ月かけて集合形式でプログラミングの基礎から教える研修を用意しているケースがあるとのことでした。一方で、私が最終的に入社した会社を含め、中途採用を少人数ずつ行っている会社では、決まったカリキュラムの研修ではなく、先輩社員が一人ついて実務をこなしながら覚えていく形が中心になると聞いていました。面接でも、研修の期間・内容・メンター制度について具体的な説明を受けていたことは会社選びの基準で後悔しないための未経験IT転職・入社先の決め方でも触れた通りですが、そのときは「メンターがつく」という言葉から、もう少し体系立てて教えてもらえるものだと想像していました。

私が受けた「研修」は、座学ゼロ・メンター同伴のOJT型だった

実際に入社してみると、座学形式の研修と呼べるものはほぼなく、初日からメンターと一緒に手を動かしながら覚えていくスタイルでした。

会社説明や就業規則の確認といった事務手続きに半日ほど使った後は、早々に開発チームへ合流するという流れになったためです。

メンターとして付いてくれたのは、他の記事でも紹介しているSEの同僚でした。プログラミング言語の基礎から順番に教えてもらえるものだと思っていたのですが、実際は「まず自分のパソコンに開発環境を作ってみましょう」という実践からのスタートで、分からない箇所が出るたびにその場で質問しながら進める形式でした。入社後の具体的な作業内容の変化は別の記事にまとめていますが、この記事で伝えたいのは、「研修」という言葉から想像していたテンポと、実際のテンポにギャップがあったということです。想像より早いペースで実務に触れることになり、最初の数日は理解が追いつかないまま一日が終わる感覚がありました。

面接で聞いていたときのイメージ 実際に感じたこと
順を追って基礎から教えてもらえる 基礎の説明は最小限で、実践しながら覚える形だった
研修期間中は実務に触れない 数日のうちに実際のコードや開発環境に触れ始めた
メンター=先生役だと思っていた メンター=困ったときに聞ける相談役に近かった

「ついていけない」と痛感した2つの瞬間

研修期間中、特に「自分だけ置いていかれている」と感じた瞬間が2つありました。

どちらも、周囲が当たり前のように使っている前提知識と、自分の理解のスタート地点に大きな差があったことが原因でした。

1つ目は、入社2日目にメンターがシステム全体の構成をホワイトボードに描きながら説明してくれた場面です。フロント・バックエンド・データベースがそれぞれどう繋がっているかを10分ほどで一気に説明されたのですが、単語ひとつひとつを頭の中で変換する作業に追われ、後半の説明はほとんど頭に入ってきませんでした。相槌だけは打っていたものの、正直に言うと半分も理解できていなかったと思います。2つ目は、研修用に用意されていた社内Wikiの資料を読み進めたときのことです。資料自体は丁寧に作られていたのですが、前提として当然のように使われている用語が説明なしに登場するため、1ページ読むのに何度も別のページへ寄り道して調べる必要があり、予定していた時間内に読み終えられませんでした。

どちらの場面でも、「これくらいは知っていて当然」という空気の中で、知らないことを言い出しにくい気まずさを感じたのが、単純な難しさ以上につらかった部分です。

同期との差に落ち込んだ話

研修期間中、私の理解の遅さをより強く意識させたのが、ちょうど同じ月に未経験枠で中途入社したもう一人の存在でした。

比較する相手が身近にいると、自分の遅れがより具体的な差として見えてしまうためです。

仮にAさんとしますが、Aさんは前職でも簡単な業務システムのマクロやスクリプトを扱っていた経験があり、同じ研修用の課題に取り組んでいても、私より明らかに早いペースで理解を進めていました。ランチのときに「あの説明、最初から全部分かった」と何気なく言われ、内心かなり落ち込んだのを覚えています。自分だけがついていけていないのではないかという不安が数日続いたのですが、あるとき雑談の中でメンターから「未経験の中でもスタート地点は人それぞれで、Aさんの場合はたまたま前職の経験と近かっただけ」と言われ、同じ「未経験」という括りの中にも幅があるのだと気づかされました。それから、Aさんとの理解度を比べること自体をいったんやめ、自分が前日より分かるようになったことだけを基準にするよう意識を切り替えました。

「ついていけない」と感じたときにやってよかったこと

振り返ってみると、理解が追いつかない状態そのものより、それをどう扱うかで研修期間の過ごしやすさが変わっていたと思います。

一つひとつの対処は小さなことばかりですが、積み重ねることで気持ちの余裕が少しずつ戻ってきました。

  • 分からない単語や説明は、その場で聞くのではなくメモしておき、区切りのいいタイミングでまとめて質問する(相手の説明の腰を折らずに済んだ)
  • 「今日の30分だけ確認したいことがある」とメンターに時間を区切ってお願いする(気兼ねなく質問できる時間が明確になった)
  • 1日の終わりに「今日分かるようになったこと」を1行でもいいのでメモに残す(理解が積み上がっている実感を持てた)
  • Aさんと理解度を比べるのをやめ、進捗を共有し合う関係に切り替える(孤立感が薄れた)

特にメモを残す習慣は、当時は気休め程度のつもりでしたが、数週間後に見返すと理解の伸びが自分でも分かり、想像以上に気持ちの支えになりました。

まとめ

ここまで、未経験で入社した私が経験した「IT研修」の中身と、ついていけないと感じた瞬間、その乗り越え方を紹介してきました。

  • 「IT研修」の内容は会社によって幅があり、座学中心とは限らずOJT型のところも多い
  • 私の場合は座学ゼロに近く、メンター同伴で実務をこなしながら覚えるスタイルだった
  • システム構成の説明や社内資料など、前提知識の差からついていけないと感じる瞬間があった
  • 同期との比較で落ち込んだが、比べる基準を「昨日の自分」に切り替えたことで立て直せた

研修でついていけないと感じることがあっても、それは能力の差だけが原因とは限らず、スタート地点の違いや会社ごとの研修スタイルの違いが影響している場合も多いはずです。入社後の具体的な仕事内容の変化については、別の記事もあわせて参考にしてみてください。

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